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【記者の目⑨】粗悪なアルコールジェルが景表法違反…ドラッグストアが取るべき対応

消費者庁が、5月19日に株式会社メイフラワー(東京都千代田区、代表取締役=前田憲一氏)に対して景品表示法に基づく措置命令を出した。同社は化粧品の輸入・製造販売業者である。

同社が韓国・ミドコスメティクス社から輸入調達して、日本国内に供給していた「ハンドクリーンジェル(300ml)」(上部写真)について、アルコール濃度を71%だと表示しているのにもかかわらず、実際は大幅に下回る5~30%だったということが判明した。これが優良誤認として景品表示法違反に該当する。

同社は、ミドコスメティクス社からの化学物質等安全データシート(SDS)・全成分表で「71%のアルコール」を確認していたが、複数から指摘があり、日本国内の分析試験所にて再計測したところ表示濃度と大幅に異なる事が判明し、消費者庁へ報告・相談を行ったという。

厚生労働省は「新型コロナウイルスに関するQ&A」の中で、「70%以上のアルコールに弱いことが分かっている」と70%以上を推奨していることもあり、この「71%」という表記はこれを上回ることで購買意欲を掻き立てることを狙ったものとも捉えられる。

新型コロナウイルスの影響で消費者の予防意識が高まり、アルコール消毒液が入手しにくくなっている状況下において、「なんとかコロナ感染を予防したい」という消費者心理に付け込むような優良誤認は言語道断であり、意図的ではなくとも品質を確認せずに粗悪品を流通させた罪は、非常に重く、「知らなかった」では済まない。

また、消費者だけではなく、この商品を販売していた店頭およびECサイトの信用・信頼を大きく損ねることにもなっており、健康志向が高まる今、平時よりもその打撃は大きいものとなる。

同社は、消費者に購入店・本数・日時がわかる購入明細を返送させ、製品代金相当(1本2,000円分)のQUOカードを送付することで対応するが、それで納得する消費者がいるかはなはだ疑問だ。

ドラッグストアの店舗をウォッチしていると、2カ月ほど前から「Made in Korea」と記載されているアルコールジェルを販売している店舗が増え始めた。その販売額は約2,000円と、平時(エタノール70%代は300mlで約800円前後)と比較すると非常に高い価格が設定されている。中には、たった50mlの「61%」と明記してある韓国製アルコールジェルを500円以上で販売しているチェーンドラッグストアもあった。

それら商品は「アルコール」と表示しているだけであって、その目的や効果は全く記載されていない商品が大半であり、小さく「※清涼剤・溶剤として」と注意書きがされている。つまり、エタノールを消毒目的で配合した商品ではないということだ。SNSなどネットで消費者の声に目を向けると「本当に殺菌されているのか?」と疑問を持つユーザーも少なからずいる。

「地域に根差したヘルスケアストア」を標榜するドラッグストアは、今すぐにでも自店で取り扱っているアルコールジェルの品質を確認し、来店客に「間違いのない商品」であることを伝え、安心して購入してもらえる環境を整えるべきだ。アルコールジェルは1カテゴリーの1商品に過ぎないが、この先のドラッグストア業界全体の信用に大きくかかわってくる。

記事=月刊H&Bリテイル編集部・佐藤健太

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