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【経営トップの視点】新光・菊池徳美 社長

「人」を大切にした経営理念が成長の原動力

多角的なニーズ対応で進化した「エコム」ブランド

 

二酸化塩素製品を主軸とした「エコム」ブランドを展開することで有名な新光(本社=東京都)。現在は日本や中国に加え、香港、シンガポールやロシア、中近東にも拠点を持ち、グローバルに事業を展開する同社だが、菊池徳美社長が2002年にたった一人で創業し、貿易商社としてスタートを切ったのが原点である。「経営で最も大切なのは“人”です」と語る菊池社長。どのような思いで新光を成長させてきたのか。競争が激化する中、どのような考え方で経営の舵を切ってきたのか。なぜ「エコム」ブランドが成長できたのか。その根底には「正しく、誠実に仕事をこなしていく」という菊池社長の姿勢があった。

新光・菊池徳美社長

 

−−まずは、新光についてお聞かせください。

当社は2002年8月に設立した企業で、当初は貿易商社としてスタートしました。そのきっかけは育った環境にあると思っています。私は、中国残留孤児の日本人である父親と中国人の母親の間に生まれ、13歳まで中国で育ちその後日本に家族と共に日本に移りましたので、日本語と中国語を話す事ができ、大学卒業後はその強みを生かそうと日中貿易の商社を立ち上げました。創業当時は当時世界の工場といわれた中国から日本への輸入をメインにしていましたが、中国市場の急成長に伴い逆に日本から中国への輸出も手掛けるようになりました。

 

−−なるほど、貿易商社からスタートした企業なのですね。貴社は二酸化塩素商材を積極的に開発・販売しています。そのきっかけは?

現在、当社は二酸化塩素製品を中心とした「エコム」ブランドの拡販に注力していますが、これは10年前の2010年にスタートさせた事業です。

2002年から2003年にかけて中国ではSARSが流行した時、私は丁度中国からの食品輸入をしておりましたが、現地に足を運べなくなるなどで大変な思いをしました。少し落ち着いたあとも、国境を越え出向く私も、迎え入れる中国のメーカーも、共に不安と向き合いながら仕事でしたので「何か良い手立てはないか」という思いが常に脳裏にありました。

その頃、利用していた北京のホテルは液体の二酸化塩素で除菌していたようで強い塩素臭がしていました。液体は取り扱い難いし、腐食性も高いです。

事業化の数年前に固形化された(正確には固形物に含侵させた)二酸化塩素と出会ったのです。当時はごく限られた小さな市場向けの製品しかありませんでしたが私には大きな広がりがある商品になるという漠然とした感覚がありました。

私自身は化学の分野は門外漢であり、二酸化塩素という化学製品を取り扱うことに少々戸惑いはありましたが原料のサンプルを入手して自宅で臭いが気になる箇所に試しに設置してみると明らかにその効果を実感しました。 そこで2010年に事業を開始するにあたって、世界中から多くの論文を集め、二酸化塩素を調査していくと、なんと「低濃度でも除菌効果が期待できること」が分かったのです。 その時低濃度にしてより塩素臭が気にならない、より安全性が高い製品を開発しようというコンセプトが浮かび上がってきたのです。

 

−−既存だった消臭製品とどのような違いを感じましたか?

これまでの消臭剤は、活性炭のように臭いを吸着したり、フレグランスのような強い臭いで悪臭をカバーしたりなど、もとの臭いを化学的に分解して消すというものではありませんでした。場合によっては、マスキングが逆効果となりさらに嫌な匂いの発生源になっているというケースも見受けられました。

しかし、二酸化塩素は発生するガスで悪臭や腐敗臭を化学分解して無臭化するという特徴があり、私は除菌効果に加えてその消臭効果に期待できるため従来以上の汎用性があると判断し事業化を進めていくことにしました。 ただ、固形化二酸化塩素の原料のみですと製品にはなりませんので、これをいかに使用目的やニーズにあった形にしていくか商品開発では試行錯誤の連続で色々工夫を凝らしました。

まず「エコム」ブランドで最初に開発したのは、首から下げるカードタイプの製品(写真)で、2011年にリリースしました。これと並行して製品の保証のバックボーンとなるウイルスや除菌、消臭に関するデータやエビデンスを取得し、きちんと安心して使用していただける環境づくりにも注力しました。このデータを取ることで「除菌」「消臭」などについて科学的かつ合理的な根拠に基づいて訴求することが可能になりました。

 

−−「エコム」ブランドのバッジタイプ(写真)のデザインは非常におしゃれで、女性にも抵抗なく使用できると思いますが、デザインに関してのこだわりはありますか?

当初はかけられるコストに十分な余裕がなく、売れるかどうか実際にやってみなければ分からないという状況だったかめ、プロのデザイナーにデザインを依頼することはできませんでした。

しかし勇気づけられるいいデータや自身の日々の使用の実感から「二酸化塩素は面白い!いけるかも」と考えるよういなったので、あきらめずにチャレンジし続けて成功に結びつけようと努力しました。これまで世の中になかった新しい価値を、色々な場面でお客さまに喜んでもらうにはどうすればいいか?使用方法や使用シーンという切り口で、どのような提案をすればいいのかを考え続けました。

例えば最初にリリースした首から下げるカードタイプは、実際に自身で使ってみると、通勤時や普段の外出時にはとても良いと思う一方で、家事などの作業ではブラブラして邪魔になってしまいます。また、おしゃれをして出かけていくシーンにはそぐわないようにも感じました。そこで考案したのがバッジタイプです。これだと作業中にも首ひもが邪魔にならず、状況によっては首ひもが危険につながりかねない子供や認知症の老人の方も安全に使用できますので安心してご提供できます。

「エコム」ブランドは、これら首から下げるカードタイプ、バッジタイプの他に、車のサンバイザーに装着するタイプや据え置きタイプ、最近では空気清浄機など製品形状と使用シーンが多岐に渡っていますが、これは「多くの人の様々なニーズに応え、喜んでもらいたい!」という当社の願いが込められています。

小型空気清浄機

 

スタンドタイプ

 

新たに開発されたエコムが搭載された高性能な空気清浄機

 

−−そもそも「エコム」というネーミングには、どのような意味があるのでしょうか。

環境に良い「エコロジー」、経済的という意味の「エコノミー」という意味を持っています。また、「エコム」をアルファベットで表記すると「ECOM」となりますが、当社が「E(いい)+COM(会社)」であり続けたいという思いも実は込められているのです。

「エコム」ブランドを立ち上げたころは「良い製品を、早くお客さまに届けたい!」という思いが強かったため、“ものづくり”に注力していました。しかし、あるとき特許が侵害されるという事件が起こりました。裁判で勝訴し、特許が成立しましたが、とても大変な経験でしたが、逆に商標や知的財産を守っていくことが、お取引先様ひいてはその先にいらっしゃるエンドユーザーさまからの信頼を守っていくことにつながるということを学びました。良い人悪い人にもいっぱい出会って来ました、勿論支えてくれて、助けてくれた皆様に心から感謝しておりますが、悪い人にも感謝です。大変な経験をして、自分を鍛えられる事が出来ました。

そう考えると「エコム」ブランドは、経営者としての自分自身を成長させてくれたブランドだと言えますし、たった1人から始まった会社だったのですが、今の当社があるのも「エコム」ブランドの存在が大きいと思っています。

 

−−これからの「エコム」ブランドをどのように描いていますか。

現在あるラインアップを大切に育成していくことが大前提ですが、直近では二酸化塩素を搭載した高機能の空気清浄機を、日本や中国だけではなくグローバルに向けて取り組んでいこうとしています。

 

−−菊池社長が企業を経営していくことで最も大切にしているものとは。

やはり「人」です。人と人との信頼が何よりも大切だと思います。人に対する思いがなければ、相手からも自分に対しての思いは芽生えません。自分自身が一所懸命に仕事に取り組み、人ときちんと向かい合うことで信頼されていくものだと考えています。「はたしてこの事業が自分一人で成り立っているか?」と自問自答しつつ、これまでの仕事を振り返るってみると、いつも周りには誰かいてくださり、困ったときには手を差し伸べる方がいて見守られていました。だから私は、厳しい競争の中でも生き残ってこられたのです。

同じことは会社の中でも言えます。いくら一人で努力をしても成り立たないことの方が多くあります。人と人との縁があって、それを大切にしながら「良い製品を作っていく」という共通の思いがあれば、必ず良い結果につながっていきます。

当然のことですが、皆さんは「良い人に巡り合いたい」と思っています。しかし、その前により大切なことは「自分自身をどう良くしていくか?」ということを考えることです。自らが正しく、誠実に仕事をこなしていくことで初めて良い出会いがあると思います。

 

−−社員についての思いは。

私は全ての社員を「家族」だと思っています。ですから、自分の家族に対する思いと社員に対する思いは同じくらい大きなものです。私と同様に社員にも家族がおり、その家族の方々もしっかりと守れるように、私自身も経営トップとしてさらに成長していきたいと考えています。

 

 

 

 

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