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ヘルスビジネスマガジン社会長・木村忠明の緊急連載レポート「新型コロナ感染予防における食成分の役割」③

【第3回】サプリの効果は感染と重症化を防ぐ“可能性”

ビタミン・ミネラルなど栄養素の欠乏が免疫機能に影響

前回の連載で紹介したカーン博士の新型コロナウイルスの論文以外にも、インフルエンザなどのウイルスへの効果を示す研究は過去にもある。

Covid-19そのものに投与したわけではないが、”可能性”として効果を示唆する研究は少なくない。つまり、可能性があるならば摂らないより、摂った方が良いに決まっている。Covid-19に感染し、重症化しても治す手立ては自分の免疫以外に今のところなさそうだ。

そこで、感染しないためには免疫機能が健全に働くことが大事になる。そのヒントとして、単一の栄養素の欠乏することで、体の免疫反応に影響がでる可能性が動物実験で示唆されている。

これによると、亜鉛、セレン、鉄、銅、葉酸、ビタミンA、B6、C、D、Eが欠乏することで、免疫反応に影響が出る可能性があるという。つまり、これらの成分には免疫システムを助ける働きがあるのだ。

例えば、健康な細胞を保護するための抗酸化剤として働き、免疫細胞の成長と活動をサポートし、抗体を生成するのに役立つ。 疫学研究では、栄養不足の人は細菌、ウイルス、その他の感染症のリスクが高いことも分かっている。

 

評価が高いビタミンD

中でも、ビタミンDは必須の免疫栄養素としての割合評価が高い。これは免疫系以外にも、脳、神経系、肺機能、心臓血管の健康、骨、歯に効果があることが今までの研究で知られている。

ビタミンDのニーズを満たすための最良の方法は、太陽を介することだ。残念ながら、冬の数か月間や光が当たらない暗い天候の時期には必要量を得ることは難しく、インフルエンザなどの感染症が流行しやすい時期になる。反対に、太陽光に当たる機会の多い夏場に感染症が減少する理由の一つとして、血液中のビタミンD増加があると言われる。夏場は太陽光に当たる機会が多く、そのため血中の値が高い人は多い。

新型コロナも同様で、ビタミンDの血中濃度が低いと冬のウイルスの流行に寄与する可能性があるといわれる。最適なビタミンDのレベルを保つことはウイルスの流行とパンデミックのリスクを軽減するのに役立つのではないかと言われている。

観察試験やサプリメントの試験では、ビタミンDの血中濃度の測定に「25(OH)D濃度」という指標が用いられる。この値が高いとインフルエンザ、デング熱、B型およびC型肝炎、肺炎、呼吸器ウイルス感染など、さまざまなウイルス感染のリスクが低下する可能性があるとの報告がある。

 

イソフラマソームを抑えるビタミンC

また、新型コロナインフルエンザに感染した場合、免疫系の暴走から炎症物質のサイトカインが出過ぎて、重症化して死に至ると言われている。

このプロセスについて、米国オレゴン州・ポートランド自然療法大学のヘルザー・ズウッキー教授が、米国自然療法医学会の学会誌が行う放送で興味深い研究を紹介している。

教授は免疫が専門で、ワクチンの研究にも携わり、イエール大学医学部でも教鞭を執っていた。最近この学会誌『自然療法』で行わっている放送に出演して、自然療法の立場から興味深い話をしている。

これによると、新型コロナウイルスは細胞内に入ると、細胞内にあるイソフラマソーム(NLRP3)という物質を刺激する。これは炎症反応に関する誘導と進展に関わるもので、刺激すると制御できない炎症の引き金を引いたようになるという。これが新型コロナウイルスの重症化を引き起こし、死亡に結びつくサイトカインストームを生み出しているといわれている。

 

第4回は8月26日(水)配信予定。

※本連載は小紙「ヘルスライフビジネス」に掲載された内容です。

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