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【記者の目④】コロナによる“マスクトラブル”と、その対応

消費者がパニック傾向、度重なる“マスクトラブル”

3月27日、「サンドラッグ店舗でマスク販売においてのトラブルが発生し、警官出動」と各一般紙が報じた。マスクは入荷したのだが、勤務するスタッフの数が少なかったため安全を第一に販売を見送ろうとしたところ、それに納得しない来店客と店員の間にトラブルが発生したという。

2月末にはマツキヨ店舗で、マスクを求める生活者が作った列に割り込んだ人がおり、暴力沙汰に発展…。3月25日にはウエルシア店舗では、マスクが入荷されなかったことに腹を立てた男性(40代)が「俺はコロナだぞ」と店員を脅し、威力業務妨害で逮捕…。同日、ドラッグストアが入居するコープさっぽろ店舗では、一度列を離れた男性が、列に戻ろうとしたところ女性客を揉めて警察沙汰に…。

 

SNSから聞こえる正直な声

全国各地のドラッグストアにおいて“マスクトラブル”が全国で発生している。TwitterなどのSNSを見ると、「ドラッグストア各社はアプリ持ているので開店前に並ばせずマスクと消毒関連商品は事前に抽選してから販売にすれば良いのに」「開店前にドラッグストアに並んでる人を何とかしてほしい。あれこそ感染拡大の可能性があると思う」などドラッグストアに向けての話題が殺到している。

これまで日本政府は目先にあったオリンピックやインバウンドなど外貨を狙った経済活動を優先し、新型コロナウイルスへの国民意識を高めることを後手に回してしまった。オリンピック延期が決定し、世界的な渡航規制からインバウンドも蚊の鳴くような声となっている。今振り返ると、日本政府の対応は「出だしから間違えていた」と評価されても文句は言えない。

もちろんドラッグストアは株式会社であり、その目的は経済活動であることには変わりはない。しかし、他の小売り業と決定的に違うのは「健康」「薬」「調剤」などヘルスケア関連の商材を取り扱い、セルフケア・セルフメディケーションを推進する立場にあることだ。新型コロナの感染者が増加の一途をたどり、感染リスクが高まる中、毎朝毎朝、マスクを求める客の行列を作らせるのは、その大義名分から大きく逸れているように感じる。まずは、“マスク行列”をなくすために業界全体が同じ方向を見る必要があるだろう。

 

「マスクを予約販売にしてほしい」の声が多数

ドラッグストア企業がそう思っていないことを切に願うが、一般生活者の視点からすると「他の商品を買ってもらうために、いつまでも“マスク行列”を作らせている」という捉え方もできる。

SNSで大量に流れているのは「マスクを予約販売にしてほしい」とのコメントだ。コントロールするのは難しいだろうが、マスク購入の際にポイントカードを確実に作らせ、次回購入時に、そのポイントカードを持参しなければ購入できないようにする。ポイントカードで購買履歴を確認し、買った枚数によって次回購入が可能な日を算出。ポイントカードの購買履歴に紐づいたネットおよびアプリで予約するなど方法は多々ある。ドラッグストアは“小売業の勝ち組”として得てきた利益を、こうしたところで還元すべきだろう。

上場企業はステークホルダーが多く、社会貢献的な活動は「直近で利益になりにくい」と株主から厳しく追及される傾向にあるが、目先だけではなく数年後を展望すると、今、マスクや消毒液をスマートに提供していくことは店舗のブランディングにおいて非常に有用なものだと位置づけたいところだ。

すでに某ローカルドラッグストアチェーンでは、通常はポイントやマーケティングツールなどで活用しているスマホアプリを通じて、マスクを抽選販売、抽選から漏れた人も次回の抽選で優先するなどで対応している。事前に混乱を回避しており、不要な来店を防ぐことで感染を予防し、また平等性という意味からもユーザーから高く評価されているという。

これまで、H&BCを中核とした品ぞろえを持ってセルフケア・セルフメディケーションを推進、業績を拡大してきたドラッグストア。“コロナ行列”へ早急に策を投じることが、今、国民から望まれている。

「月刊H&Bリテイル」編集部・佐藤

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