健康食品情報や機能性食品ビジネスの最新トレンドを配信

ARCHIVE
記事

【ヘルスライフビジネス8月15日号】注目記事ピックアップ① 【食品表示制度】(一財)食品産業センター 武石徹氏に聞く

15年4月の食品表示法に基づく食品表示基準施行から5年が経ち、今年4月から新法に基づく表示に移行となった。食品業界の代表として加工食品の原料原産地表示制度に関する検討会や遺伝子組換え表示制度に関する検討会委員など多数の検討会に参加した一般財団法人食品産業センター・武石氏に話を聞いた。

 

―食品表示に関する議論がひと段落しました。感想をお聞かせ下さい。

武石 15年4月に食品表示法の新しい制度が出来てから5年の経過措置期間がありましたが、原料原産地、遺伝子組み換え、食品添加物…など毎年のように制度の見直しが繰り返されてきました。メーカーはこのような制度変更に、かなり苦労しています。それぞれの経過措置期間が切れるタイミングを見ながらいつ表示を切り替えるか、など苦心している状況です。消費者にとっても度重なる変更は分かりにくいと思います。もう既に決まってしまったことではありますが、バラバラと経過措置期間を迎えるのではなく一括してできるような制度にするといったルール化の必要性など、課題が多いと思います。

また、コロナ禍でも表示の問題が出ています。例えば、中国から輸入予定だった原料が入らなくなり他の産地の原料に変更した場合の原料原産地表示。そして、生産の急激な低減あるいは巣ごもり需要で生産が追い付かなくなる商品を他工場で生産するなど工場間のアンバランスを是正することがありますが、その時に製造所固有記号をどうするか、などです。

食品産業センターとして、消費者庁等の関係省庁に制度の弾力的運用について2回要望を出しています。消費者庁等では、要望を踏まえ、二回にわたり制度の弾力的運用の通知を出して頂きました。

具体的には、包材を変える時間が無い場合、社告やHP等で伝達すれば包材を切り替えなくても良いといった内容です。

この緊急事態に、表示が機能しにくい実態が改めて出てきたと思いました。原料原産地については今後世界的な気候変動による農産物の生産変動も考えられます。そういった時、いちいち弾力的措置の要望を出すのか。ビジネスの面から見てやはり課題の多い制度です。

 

―食品表示基準移行初年度の今年、監視強化の話も出ているようですが

武石 監視強化の前に複雑な制度の普及・啓発が必要だと思います。経済的規制は最低限であるべきです。悪質な事業者は一握りで、皆さん制度をしっかり守っていこう、と努力しています。立ち入り調査も、そこまで必要なのか疑問です。当センターは毎年、経団連に食品表示について規制緩和要望を出しています。

昨年、食品ロス削減推進法ができて、基本方針が今年3月閣議決定されました。そのなかで食品表示基準違反があった場合に過剰な回収に繋がらないように必要な検討を行う旨の記述が盛り込まれました。これを契機に監視強化というよりむしろ、指導の考え方が安全性に重点をおいたものにシフトして、行き過ぎた指導が無くなるよう期待しています。

続きはヘルスライフビジネス8月15日号をご覧ください

一覧に戻る